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第19回 秀吉の側室 浅井茶々(後の淀殿)多くの謎に包まれた人生とは

NHK大河ドラマ「真田丸」第19回では、竹内結子さんが演じる茶々に小日向文世さんが扮する豊臣秀吉が思いを打ち明けるシーンがありました。これで茶々は秀吉の側室となり、後に後継者の秀頼を産むことになるのですが、彼女の人生もまた多くの謎に包まれています。近江(今の滋賀県)の戦国大名浅井長政と織田信長の妹市の間に誕生した茶々にとって、秀吉は母と第2の父である柴田勝家を死に追いやった憎い相手です。それにもかかわらず、秀吉の側室となり、滅亡まで豊臣家を支えていきます。そこに何があったのでしょうか。今回は茶々の人生をたどってみましょう。

父は浅井長政、母は信長の妹市

茶々は一般に淀殿と呼ばれますが、本名を浅井茶々といい、近江の小谷城で生まれました。生年は浅井家の記録である「浅井三代記」に全く記載がなく、はっきりしません。1566(永禄9)年、1567(永禄10)年、1569(永禄12)年の3つの説が流れています。

長政は信長と同盟を結んでいましたが、長年、浅井家と同盟関係にある朝倉義景と信長が交戦すると、信長を裏切って朝倉方につきます。このため、信長に攻められ、1573(天正元)年、小谷城が落城します。

茶々の父長政と祖父の久政は自害し、兄の万福丸は捕らえらえて信長の命令で処刑されました。処刑したのは、織田軍の中にいた秀吉です。その後は伯父の織田信包に預けられ、尾張(愛知県西部)の清洲城にいたとも、信長の叔父織田信次が居城とする尾張守山城にいたともいわれています。

本能寺の変で信長が急死したあと、母の市は織田家筆頭家老の柴田勝家に嫁ぎました。茶々は2人の妹とともに越前(福井県東部)北の庄城に入ります。しかし、勝家は秀吉に敗れ、母の市とともに自害。茶々ら3姉妹は逃がされ、秀吉の保護を受けることになりました。

秀吉の側室となったのは1588(天正16)年ごろ。秀吉とは親子ほど年が離れていましたが、翌年鶴松、1593(文禄2)年に秀頼を産みます。鶴松は2歳で死亡しましたが、秀頼はすくすく育ち、秀吉の死後は茶々が後見役を務めました。

母の仇ともいえる秀吉の側室に

茶々にとって秀吉は兄を処刑し、母と第2の父を死に追いやった憎い相手です。なぜ、秀吉の側室になったのでしょうか。秀吉が母市の面影を残す茶々の美貌に惚れ、押し切ったという説が小説やドラマでよく見られます。

秀吉は若いころから、戦国一の美女といわれた市に憧れを抱いていたといわれますが、市に相手にされることはありませんでした。茶々は170センチほどある大柄な女性で、市に似ていたとすればさぞ美人だったことでしょう。しかし、肖像画を見る限り美女とはいえず、母の市よりも父の長政に似ていたという説もあります。

農民出の秀吉は高い身分の女性が好みでした。10人以上の側室を抱えていましたが、茶々が例え、それほど美人でなかったとしても、高貴な家柄に興味を持つことは十分に考えられます。

いずれにしても茶々は身寄りも有力な後見人もおらず、帰る実家がないまま、保護されている状態でした。そんな中で秀吉の申し出を断れるはずもありません。茶々が望まぬ形で秀吉の側室となったことだけは間違いないようです。

秀頼が生まれたあとはその行く末を第1に考え、行動していたとみられています。関ケ原の合戦に際しては、東軍の徳川家康、西軍の石田三成の双方に好意的な顔を見せています。結果的に家康が勝ち、徳川へ天下が移ることになりますが、茶々の頭の中には秀頼のことしかなかったのかもしれません。

秀頼出生にも浮上するさまざまなうわさ

もう1つの謎は秀頼出生に関するうわさです。秀頼が秀吉の子ではないというもので、実の父は大野治長、石田三成などさまざまな名前が歴史ファンの間で浮上しています。

秀吉には3人の男子があったとされます。長男は秀勝といい、幼名が石松丸。秀吉が近江長浜城主時代にもうけた子とされますが、実母は分かっていません。側室の京極竜子、南殿、於葉の方という説もありますが、どれも決め手を欠いています。

次男の鶴松と三男の秀頼は茶々が産みました。正室の北政所や他の側室に子ができない中、なぜ茶々にだけ子が誕生したのか、それが疑問として浮かび上がり、さまざまな説が登場してきました。

秀頼は195センチ以上ある巨漢です。大柄な家系の浅井家や織田家の血を引いているようですが、小柄な秀吉と似ていないこともそうしたうわさをかき立てる一因になりました。

茶々は憎んでも余りある豊臣家の名誉のために徳川家の天下に最後まで抵抗し、大阪の陣を迎えて大阪城と運命を共にします。浅知恵のまま秀頼の将来を思って行動した結果とも、武家に生まれた意地がそうさせたともいわれていますが、謎に満ちた人生の末に何とも皮肉な最期を迎えたわけです。



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